ソーシャルビジネス
パソコンインストラクターになってしばらくした頃、男女参画機構に携わっている友人から、こんな話をされた。
「経済的に困難な女性を支援したい」
私の心に深く響いた。なぜなら当時働いていたパソコン教室で、とても熱心に通っていたシングルマザーの女性が、経済的な理由から教室を辞めざるを得なかったからだ。
どうすることもできないもどかしい思いを抱えたまま、ある時テレビで目にしたのは、ある発展途上国で、まともな教育も受けられない貧しい子どもたちに、日本の若者が学問の動画を配信しているという映像だった。10年も前のことなので、詳しい内容は忘れたが、そこで初めて目にしたのが、「ソーシャルビジネス」という言葉だった。
ソーシャルビジネスの意味を調べてみると、「環境・貧困などの社会的課題の解決を図るための取り組みを持続可能な事業として展開すること」とある。※コトバンクより
大げさだが、カミナリに打たれたように私は衝撃を受けた。
私がやりたいのはコレだ!
その後、自治体主催の、再就職を目指す女性のためのパソコン講座や、障碍者の自立支援のためのパソコン指導、職業訓練などで現在に至っている。
貧困も障碍も経験していない私が、彼らの状況や胸のうちを理解できるはずもないため、私に語る資格があるのかと思い悩んだこともあった。でも今は、私が今できることを精いっぱいやることで、彼らに向き合っていきたいと思う。