2025年1月12日 / 最終更新日時 : 2025年1月12日 yumeironet 言の葉集 テネシーワルツ(小説) テネシーワルツ 日暮 彩 披露宴会場内では弦楽器の華やかな音楽と、人々が談笑するざわめきが交差している。前方には作り物の巨大なウエディングケーキがあり、その隣にある金屏風の前では、彰人と沙也加が上気した顔で鎮座している。 […]
2024年10月14日 / 最終更新日時 : 2024年10月14日 yumeironet 言の葉集 追憶の砂(小説) 追憶の砂 日暮 彩 幼いころ、両親に連れられて鳥取砂丘に行ったことがある。見渡す限りの砂の大地。砂のひと粒ひと粒が太陽の光を浴びて輝いていた。私が小さな手ですくうと、キラキラしたそれは指の間からこぼれてい […]
2024年8月1日 / 最終更新日時 : 2024年10月14日 yumeironet 言の葉集 ラブレター(小説) ラブレター 日暮 彩 愛しい健司さん最初で最後の手紙を書きます。私は今自分の部屋の、お気に入りの机でこれを書いています。東向きの窓の向こうには深い闇の先にうっすらとオレンジ色の光がにじんできました。私はこの手紙を書き終え […]
2024年7月30日 / 最終更新日時 : 2024年8月1日 yumeironet 言の葉集 音のない部屋(小説) 音のない部屋 日暮 彩 目が覚めた。目をぱちぱちさせて周りを見ると白い世界が目に飛び込んできた。天井も壁も、私が横たわっていたベッドもすべて白い。わけがわからなかったが、しばらくすると今までになかったような穏やかな気 […]
2024年7月30日 / 最終更新日時 : 2024年8月1日 yumeironet 言の葉集 天真爛漫(エッセイ) 天真爛漫 日暮 彩 私は心の中に鬼を飼っている。気がついたのはつい最近だ。 私の母は、専業主婦が多かった昭和の時代には珍しく、ずっと仕事をしていた。明るくて気さくで手芸が上手で、どこにいても場の中心になる […]